ドリルスコアーの詳細について説明します。

二種類の詳細情報が表示可能です。

  1. 単独判定の音声レーダーからの詳細
  2. 総合判定の音声レーダーからの詳細

詳細情報では、ツールチップ機能を使って、様々なエビデンスや関連情報を表示しています。音声レーダーで表示される声の特徴ランキングに疑問/興味があり、詳細を知りたいという方に向けたブログです。


【ツールチップ】
IT用語辞典「e-Words」によると、
ツールチップとは、コンピュータの操作画面の表示要素の一種で、対象にカーソルマウスポインタを合わせると周辺に小さな領域が出現し、注釈などが表示されるもの。
簡単にいえば、カーソルを合わせたときに表示される補足情報のことです。「カーソルを合わせる」とは、
パソコンの場合、マウスやポインターで、カーソルを求める場所に移動しフリーズする操作
携帯端末の場合は、希望する場所にタッチして、暫く離さずにいる操作を指します。が、補助機能と重なる場合は、タッチのみの操作 

を指します。

 

単独判定の詳細


音声レーダーの詳細結果(単文)

音声レーダーで表示した各特徴ランクの詳細です。
算出方法は、ブログ「音声ドリル診断」で確認できます。こちらではエビデンス表示と個別詳細表示について示します。

滑舌

ツールチップ箇所は、次の3か所です。
  • 滑舌/周波数/あなたのカラム
  • 滑舌/周波数のモーラ下線部
  • 滑舌/周波数/置換わりのカラム
滑舌レートの算出は、ブログ「音声ドリル診断/滑舌」で以下としました。
滑舌レート  = (高周波数判定 + (1-置換率×2) )÷  2
高周波数判定 = (高周波一致度 + 高周波レベル比)÷ 2 × 最大レベル比
置換率 = 置換わったモーラ数 ÷ 全モーラ数
以下で、算出のエビデンスを表示しています。

滑舌/周波数/あなた

滑舌/高周波判定のエビデンス

性別:♂は男性。
Value:2/4高周波数モーラ数の比較。分子があなたの発声中に検出された高周波数モーラの数。分母がドリル。
Number:8/15高周波数レベル値累積の比較。分子が、あなたの発声中に検出された高周波数モーラのレベル値を全て加算した値。分母はドリル。
MaxLevel:3発声した高周波数レベル(1~5)の最高値。

これらは、高周波数判定の各項に対応しています。
Value=高周波一致度、
Number=高周波レベル比、
MaxLevel=最大レベル比です。

滑舌/周波数のモーラ下線部

高周波数判定されたモーラの周波数

周波数行の下線部のツールチップ機能で、実際の周波数を表示します。この例では、「」が、3253Hzの周波数で発声されたことが分かります。
3000~3499Hzは男性の場合、レベル3判定のため、背景色が灰色になっています。

滑舌/周波数/置換わり

滑舌/置換わりのエビデンス
この例では、「も」が漏れになってます。
Replaceは、(不要数 + 漏れ数) ÷ (全文字数 + 漏れ数)で求めています。
ここで、分母の全文字数がモーラ数でないのは、拗音が単独で欠ける場合があるため、拗音を含めた全読みの文字数を対象にしています。

抑揚

ツールチップ箇所は、次の4か所です。
  • 抑揚/音程/あなたのカラム
  • 抑揚/音程の任意のモーラ
  • 抑揚/音圧/あなたのカラム
  • 抑揚/音圧の任意のモーラ
抑揚ランクは、ブログ「音声ドリル診断/抑揚」で、以下で設定しています。
抑揚ランク = (音程レート + 音圧レート)÷ 2 ×5
音程レート = 音程差分(A)×0.5 + 音程変化率(B)×0.3 +音程幅(C)×0.2
音圧レート = 音圧差分(X)×0.5 + 音圧変化率(Y)×0.3 +音圧幅(Z)×0.2

 

抑揚/音程/あなた

抑揚/音程レートのエビデンス

Gap:694.739Hz音程の上下幅。音程幅(C)表から、レートが0.9。
Updown:16/37音程変化率43%(=16/37)は、音程変化率表から、レートが1.0。
音程変化は、全モーラ数(37)の中で中央レベルを跨ぐ回数(10)の比率。
Match:16.75/38ドリル側の全モーラ数(38)に対し、一致したモーラ相当数(16.75)の比率。モーラが完全に一致していなくとも、隣接レベルであれば、見做しの一致に換算。詳細は、ブログ「音声ドリル診断/音程・音圧をドリルと比較」参照方。

これらは、音程レート算出の各項に対応。
Match = 音程差分
Updown = 音程変化率
Gap = 音程幅

 

抑揚/音程の任意モーラ

抑揚/音程の各モーラ周波数
各モーラの周波数が表示されます。

抑揚/音圧/あなた

抑揚/音圧レートのエビデンス

Gap:37.396dBr音圧の上下幅。音圧幅(Z)表から、37.3Hz>35.Hzから、レートが1.0。
Updown:10/37音圧変化率48.6%(=10/37)は、音圧変化率表から、レートが0.71。
音圧変化は、全モーラ数(37)の中で中央レベルを跨ぐ回数(10)の比率。
Match:21/38ドリル側の全モーラ数(38)に対し、一致したモーラ相当数(21)の比率。モーラが完全に一致していなくとも、隣接レベルであれば、見做しの一致に換算。詳細は、ブログ「音声ドリル診断/音程・音圧をドリルと比較」参照方。

これらは、音圧レート算出の各項に対応。
Match = 音圧差分
Updown = 音圧変化率
Gap = 音圧幅

抑揚/音圧の任意モーラ

抑揚/音圧の各モーラ相対デシベル

各モーラの音圧(dBr)が表示されます。

テンポ

ツールチップは、二カ所あります。
  • テンポ/区切り/あなたのカラム
  • テンポ/区切り文字
テンポのランクは、以下で求めます。
テンポランク  = (区切りレート + 速度レート)÷ 2 × 5
区切レート = (区切位置一致率(0.0~1.0) + 区切数一致率(0.0~1.0))÷2
区切り位置一致率 = 一致数 ÷ ドリル全区切り数
区切り数一致率 = 実際の区切り数 ÷ 標準区切り数

テンポ/区切り/あなた

テンポ/区切りレートのエビデンス

Mola num:37.00「あなた」のモーラ数。拗音はカウントされませんので、40-3=37となります。
Mola node:2標準区切り数。モーラ数÷標準区切りモーラ数で算出。
Rate loc:2/2ドリルとあなたの区切り位置の一致数です。区切り文字'/'の位置と文末の位置も対象になります。
Rate num:1:2あなたの区切り文字数÷標準区切り数から求めます。


テンポ/区切り文字

区切箇所とポーズ時間
ポーズ時間を表示します。

総合判定の詳細

総合判定の詳細(複文)

総合判定の音声レーダーからの「詳細」釦により表示します。
全ての単独判定結果を集計します。

音声レーダ5段階とレート

音声レーダーは、5段階で評価結果を示しています。五つ星表示による見易さで「声の計測器」として活用したいという狙いです。
集計表のレートは、0.0~1.0の範囲で評価しており、両者の関係は、
5段階評価 = レート×5
です。

単独評価確認用のリンク

第一カラム目の「文」には、S1~S5のリンクが貼られていますが、これは各単独評価へのリンクです。クリックすると、対応する文の単独評価が表示され、各数値のエビデンスを確認できます。

標準速度との比較

速度評価は、テンプレートの一部に組み込まれていて、速度そのものの評価は音声レーダーに出てきていませんが、総合判定の速度欄で確認することが出来ます。
この「速度」は、単一モーラ速度の比較です。分子が、被験者だ分母は、モーラ標準速度(0.129秒/モーラ: NHK標準速度から推計した値)です。
この例の場合、平均で1.05となっていて標準より5%遅いことが分かります。もう少し早く語る様に、気を付けたいと思います。
こちらは、ドリル制作者の総合評価詳細です。

総合評価で標準速度と比較

速度平均は1.01でほぼNHK標準速度です。さすがですねぇ。